「プロジェクトの過程ももちろん大切。だけどそれ以上に『終わった後』が大切だと思います。覚悟が決まっている人やベンチャー企業なら、クラウドファンディングをやらない理由がないですね。」
そう語るのは株式会社しょうがのむしの代表取締役 周東孝一(しゅうとう こういち:以下、周東さん)さんだ。
周東さんのプロジェクトは2020/09/18にスタートし、達成率241%・支援者499人・支援総額は6,035,000円という結果を残し2020/12/06に終了した。なんとCAMPFIREの埼玉県のプロジェクトで支援者人数歴代1位(2022年4月現在)に輝いている。
実際のプロジェクトページがこちら。
【発酵ジンジャーエールを世界に誇るさいたまの名産に!そして見沼田んぼを復活させる!】
なぜこのような結果になったのか、そして今はどのようなことを行っているのか、周東さんにたくさんお話を伺ってきました。

〈聞き手=aya(@mitlilly_kkj)〉
やってみて、全てが良かった
ーー本日はよろしくお願いします!早速ですが、クラウドファンディングをやって良かったこと、やってみての感想をお伺いしたいです。
やってみて、全体的に良かったです。何が良かったというのは一言では言えないくらいいろんなことがよかったです。かなり、全てがよかったです。
その中でもクラウドファンディングの長所と言われているところは全てよかった。まずは開業前からお客様に知っていただける、お客様ができる、売り上げが取れる、資金が集まる点ですね。
あとは当初の目的であったフォロワー・ファンを少しでも作り、醸造開始後にすぐに売れる状況を作り出すというのもうまくいきました。ぶっちゃけこのプロジェクトでは、150万円くらいしか集まらないかなって思ってたんですよ。それから考えると4倍集まったんですよね。
商品を売ろうとするのでは成功しない
ーー理想を遥かに超える結果だったんですね!なぜそうなったのかもお伺いしたいです。
いろいろなことが複合的に関係あると思います。CAMPFIREのメルマガに載るっていうのは効果ありました。
あとはメッセージの打ち出し方も関係があると思います。このプロジェクトの柱は「見沼田んぼを良くしたい」というものでした。「発酵ジンジャーエール、何それ?」ってくらいの感覚の人は、普通は発酵ジンジャーエールを買ってくれないんです。
でもここまで売れたのはプロジェクトのメッセージを「これを作ることによって見沼田んぼの休耕地を減らしたい、減らします」というものにしたからだと思います。それについて気になってた人、アンテナを張っていた人たちの琴線に触れたんでしょうね。それで「こいつのジンジャーエール飲んだら見沼田んぼの休耕地が減るのかな。それなら飲んでみるか。」って期待をしてくださった方々、問題意識を持ってくださった方々がたくさん支援をしてくれたなって思います。
実感としてだけではなく、データにも表れてます。あとでデータを見たら60%以上の支援者が埼玉県民の方々だった。東京よりも多かったんですよね。こういうのって圧倒的に東京都民が多くなるんですけどね。埼玉県民が一番でした。
なのでいかに「新しい商品を売る」とかじゃなくて「人の役に立てるのか」「社会の役に立てるのか」、こういうことをメッセージとして打ち出すのがとても大切だと思います。
こういうSGDsの観点だとか、問題をどう解決していくかという計画性がないと逆にダメだと思う。そこがしっかりしていれば今回のプロジェクトみたいに600万円とか、それ以上のプロジェクトになって行くんじゃないかな、と思ってます。
ーーこれから挑戦したい方にも大切なことですね。売りたいから売る、では売れない時代ということですね。
そうですね。プロジェクトを始める前にダメなプロジェクトの見本も見ました。プロジェクトを行う時に自分のプロジェクトに対し「自分が買ってみたいかどうか」「買ってどんなことが起こるのか」「嬉しいことがあるのかどうか」という観点は大切ですね。
プレスリリースとの二刀流

あとは時々、クラウドファンディングやる人から相談されることがあるんですけど、その際はいつも「プレスリリースを同時に出す」ことを100%勧めています。これは、不可欠ですね。クラウドファンディングについてプレスリリースを出したらテレビと新聞の記者の方が来て、取材してくれました。その放送や記事で支援が伸び、それを見てまた新聞記者が取材に来てくれた。そんなすごくいい循環が作れたんですよね。
大切なのは、終わってから
クラウドファンディングって支援しても損した気分になることが多いんですよ。そもそもリターンが来なくて不安になることもあるし。
私はこの前、補助金が取れたんですよね。それで開発した商品に対し、試飲とアンケートを取らなければいけないというので、どうせやるなら路上で知らない人にやるよりも一番の支援者である、クラウドファンディングのお客様に商品を贈ることにしたんです。
そうしたら結構感謝のメッセージが来ました。その中でも嬉しかったメッセージがありました。「クラウドファンディングは今まで何回もしていますけど、やっぱり損することの方が多い。なんならリターンももらえない場合もある。でも得しちゃったパターンは初めてです。本当に支援してよかったです。周東さんのお客さんを思う気持ちが伝わって来ました」というメッセージです。やって良かったなって思いました。なので「終わったあと、どうするか」っていうのも同じくらい大切だなって思っています。
活動報告などで、「みなさんが一番最初に支援してくれたおかげでこんなになりましたよ!」「こんな取り組みができてますよ!」「休耕地を減らせましたよ!」って報告することによって私からの手紙が届いたみたいな気持ちになってると思います。それを通して「あの時支援してよかったな」って思ってくれたら嬉しい。その「人と人との友達みたいな繋がり、人によっては友達以上の繋がり」が生まれてくるので、それは大事にすべきだし、大事にしたら自分にもいいことが返ってくるなと感じます。
支援してくれた500人は自分にとってはお客さんではなくて、「このブランドを一緒に育てていく仲間、こっち側の人」と思っている。買ってくれる人でもあるけど、それ以上に広めてくれる人なんです。
今回商品を贈ってみて一つ気づきがあったんです。商品が届いた後、「しょうがのむしさんからプレゼントが届きました!」ってTwitterやInstagramに投稿をされている方が多くいたんですよ。意外でした。そこで「なんでかな?」って考えてみたら、そもそもクラウドファンディングを支援してくれる=クラウドファンディングの操作を行える=ITリテラシーが高い=SNSのアカウントを持ってる方が多い、ということだと。なので彼らにサービスすることによってSNSでちょっと話題になるっていうメリットがありました。予想外でしたけど、こういうのもクラウドファンディングの面白いメリットかなと思います。
ーーなるほど!!確かにそうですね。クラウドファンディングをやるには、SNSが欠かせないツールとなりそうですね。
ーーまた周東さんのお話を伺っていると「お一人でプロジェクトを進めていくのではなく、支援者の方々も『一緒に』プロジェクトを進めていっているという感覚を持つことができる」って大切なことなんだと感じました。
クラウドファンディングは、ゲームを一緒にやる感覚
そうですね。なんかあれみたいですね、「ゲームのプレイ動画」。ゲームってもともとは自分が楽しむためのものじゃないですか。でも今ってYouTubeとかでもよくあがっていますが、他人のプレイ動画を見て楽しむという娯楽もありますよね。観る側としては、色々な理由があると思います。「自分でやるほどでもないけど」「自分でプレイする時間はないけど」「自分では難しいけど」「自分より上手いから見ていて爽快」などなど。クラウドファンディングとその活動報告やSNSでの発信はそれに似ている気がします。支援者は、私の成功や失敗、トラブルも含めて、その過程や結果の積み重ねを見ながら楽しんでくれていると思います。
クラウドファンディング中、「こんな問題に直面しました!あれができないです!でもなんとかします」とか報告してたんですよね。そうすると支援してる人がだんだん他人事じゃなくなってきて、心配したり、共感したり、人によってはもう手伝いに来てくれたりする。そうやって一緒にプレイしているような共感が、成功に繋がる気がします。それに関してはうちはそんなに上手くなかった気がします、てんやわんやしてて。でも面白がってくれた方もいたんじゃないかな。クラウドファンディングは「一緒にプロジェクトの過程を楽しんでもらうことができる」めちゃくちゃ可能性のある媒体だなと思います。
ーーゲームのプレイ動画ですか!思ってもなかったクラウドファンディングの側面に触れた気がします。
ーーでは最後になりますがこれからクラウドファンディングをやろう!挑戦しようという方へメッセージをいただけたらと思います。
まず私は、クラウドファンディングを資金集めのものとは思っていません。プロジェクトを開始したらお客さんと一人一人付き合ったり、ページを作ったり、画像も作ったり、、大変なのである程度の覚悟は必要です。生半可な気持ちでやらないほうが良い。
でも逆にやるという覚悟が決まっている人に対して、これ以上スタートアップで良い媒体はないんじゃないかな。
SNSとか苦手だから~って意識持ってる人も多いと思います。俺も苦手ですし、毎日投稿とか無理って思ってた。だけど、投稿に関しては自分がプロジェクトに向かってやることやってたら、投稿すべきこと、投稿したいな!って思うことは、いくらでも出てくるんですよね。勝手に習慣になりますので、そこは心配する必要ないです。ネタがないってことはないです。仕事をしていれば嫌でも色んなネタが出て来るので、苦手とか得意の問題じゃなかったんですよね。なのでまずは覚悟ですね。やるのかやらないのかはっきりさせて、クラウドファンディングをこれからやる人は、アカウントを作って、ページを作って、何か一つでも項目を書く!この項目を半分でもかく!小さい目標でも立てて、とにかくページを作る。そういうことをしないといつまでたっても変わらないと思います。覚悟がある人には、最高の媒体です。
ーー力強いメッセージ、ありがとうございました!覚悟が決まっている人や会社にとっては、これ以上の媒体はない。クラウドファンディングの本質を教えていただいたような気がします。
ーー今回は、ちょんまげを結うのが難しかったため、ちょんまげのかぶり物をかぶってくださった周東さん。その上に衛生キャップをかぶるというスタイルで、インタビューに臨んでくださいました(笑)
ーーそんなユーモアたっぷりの周東さん。インタビュー中もたくさん笑ってしまいました!笑
ありがとうございました!

ーー後書き:聞き手のayaが思ったこと
インタビュー前に発酵ジンジャーエールをいただいたのですが・・・驚愕!!!とにかく美味しすぎた。リピート確定です。私は普段料理で生姜を使うとき、チューブではなく生の生姜を使うくらいに生姜が好きなんです。いやぁ、この発酵ジンジャーエール・・・たまらなかったです。発酵ジンジャーエールの詳細は一番下に掲載します。

周東さん、ビジュアルに特徴がありすぎるのに、それ以上に内容に聞き入ってしまいました。「やると決めたら前だけ見て、やっていく」というあつい一途な想いに胸が打たれました。
これからクラウドファンディングをやる人もそうじゃない人も共通で、胸に刻むことができる内容が多かったですね。本日はありがとうございました!

株式会社しょうがのむし
代表取締役 周東孝一
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